切れ痔(裂肛)とは
肛門の皮膚が裂けて傷が出来た状態を切れ痔(裂肛)と言います。
便秘などで便が硬くなったり、下痢が勢いよく通過した時の刺激などによって、肛門付近の皮膚が裂けて傷ができてしまいます。排便時に肛門が切れて出来た傷から真っ赤な血が出ることが多く、驚かれて受診される方も多いのが切れ痔です。
切れ痔はいったん治っても繰り返すことが多い疾患ですので、座薬や軟膏を使って痛みや傷を治すと共に、下剤などを使って便の硬さを調整して良い排便習慣を保つことが大切です。繰り返す切れ痔によって慢性化すると傷の部分が硬くなり、肛門が狭くなることがあります(肛門狭窄)。肛門が狭くなってしまうと薬などの保存的治療では改善しないため、手術が必要になります。
切れ痔(裂肛)の主な症状
切れ痔の主な症状は、便を出す際の強烈な痛みです。排便時の症状が強いのですが、排便時以外でも痛みを感じるケースもあります。
皮膚が何度も切れたて裂孔が慢性化すると、肛門にポリープ(肛門ポリープ)や見張り疣が出来たり、肛門が狭くなって便が細くなる場合があります。
切れ痔の治療
急性期
基本的には、裂傷を治すための軟膏を注入することで治療していきます。
裂肛は治りにくいため、1週間~月単位で軟膏治療を行うケースもよくあります。
慢性期
裂肛が慢性化すると、傷痕が炎症を起こして肛門が狭くなることがあります。
肛門括約筋が過緊張で狭くなった肛門を広げるために、手術が必要となることがあります。手術が必要となるのは裂肛患者さんの約10%です。
切れ痔で行われる手術
用手肛門拡張術
麻酔をして括約筋の過緊張をほぐして指で肛門を広げていきます。
肛門の狭窄を和らげて便秘の改善や裂肛の再発を防ぎます。切開は行いません。
側方皮下内括約筋切開術
用指肛門拡張術と同じく肛門括約筋の過緊張をほぐす治療法です。
括約筋の一部を切開して、過緊張で広がりにくくなってしまった肛門の緊張を元の状態に戻します。
裂肛切除術、肛門ポリープ切除
慢性化した裂肛を切除する方法です。
裂肛によるポリープができている場合はそれも併せて切除します。
皮膚弁移動術(SSG)
裂肛切除術の後に、周りにある皮膚を欠損した部位を覆うように縫合することで肛門の狭さを改善します。
この手術も日帰り手術で可能です。
手術費用について
切れ痔の手術には健康保険が適用されます。
手術内容 | 手術費用(1割負担の場合) | 手術費用(3割負担の場合) |
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切れ時の手術 | 約*円 | 約20,000円 |
※こちらは目安の金額となります。【手術費用は、切れ痔の重症度や位置、麻酔の方法などによって異なります。】
※健康保険3割負担の金額になります。